猫の急性腎不全 ももの奇跡的復活までの記録
血液検査のデータ
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尿素窒素 |
クレアチニン |
リン |
SAA |
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基準値 |
32.8 |
1.80 |
6.0 |
5.5以下 |
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8月12日 |
180.4 |
17.30 |
19.5 |
11.05 |
初診時 |
8月12日 |
175.2 |
18.32 |
19.6 |
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透析1回目 |
8月13日 |
151.2 |
15.18 |
11.9 |
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透析2回目 |
8月14日 |
136.5 |
10.66 |
12.7 |
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透析3回目 |
8月15日 |
55.1 |
2.80 |
5.9 |
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透析4回目 |
8月16日 |
45.4 |
1.74 |
2.2 |
17.28 |
退院 |
8月20日 |
46.6 |
2.35 |
4.7 |
74.10 |
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8月24日 |
41.9 |
3.05 |
4.5 |
44.44 |
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8月28日 |
32.4 |
2.25 |
3.4 |
3.75 |
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2022年8月12日に急性腎不全と診断されて緊急入院した我が家の猫、ももの闘病記録です。
一時はもうだめかと覚悟を決めるような日々もありましたが、他の方の闘病記ブログなどで情報をいただいたり励みになったりと助けていただいた経緯もあり、これまでの記録をご参考までに書く事にしました。
急性腎不全で苦しんでいる猫ちゃんや飼い主さんに少しでも役に立てたら幸いです。
まずはもものプロフィールから
マンチカン
オス
11歳
体重6.9kg(入院前)
明るい性格で元気な子なのですが、7月に11歳の誕生日を迎えた辺りから寝ている事が多くなり、ちょっと元気が無いかなという感じでした(今にして思えばですが)
1歳上のはなも似たような感じでしたので、まあもう高齢だししょうがないのかな、と思いながら日々を過ごしていました。
(8月9日夜)
ももが嘔吐しました。猫が吐くのは日常茶飯事ですし、ももはよく毛玉を吐くので、この時はそれほど心配しませんでした。
(8月10日朝)
ももがまた吐きました。ちょっと黄緑色の胃液っぽい液体でした。ちょっと大丈夫かな、と心配しましたがそれでもまだ深刻には考えませんでした。このタイミングで病院に行っていればもう少し軽く済んでいたと思うと、今ではとても後悔しています。
ただ猫にとっては病院は大きなストレスがかかりますし、普段元気で持病も無い場合、ここで病院に行くという判断は正直難しかったです。
この辺りから急速に食欲が無くなり、水もあまり飲まなくなりました。夜に大好きなチュールをあげると、それは喜んで食べていましたので、夏バテかなと安易に考えていました。
(8月11日夜)
もうまったく水も飲まなくなりました。大好きなチュールにも反応しません。これはいよいよ病院かなと思いました。偶然なのかももがこうなる4日ぐらい前に、はなが同じように食欲不振になってその後、回復するという事があったばかりなので、判断を鈍らせました(言い訳になりますが)
(8月12日朝)
丸一日以上も水を飲まないので、さすがに心配です。顔の前に水の器を差し出すと少し舐めました。しかしその少し後でとても苦しそうに嘔吐しました。でも吐くものが無いのかさっき舐めた水が泡のように少量出ただけです。
さすがにこれは尋常では無い!となり、すぐに病院に連れて行きました。ただこの状況でもただの胃腸障害でビタミン剤でも注射して貰えば治ると安易に考えていました。
(8月12日午前、病院)
近所の歩いて行ける距離にある病院に連れて行きました。1年前に血尿が出た時に診ていただいた病院です。
早速診ていただくと、先生は下腹部を押すと痛がる事にすぐに気づいて、エコーで見てみましょうとおっしゃいました。見ると膀胱がパンパンだと、そして腎臓の形が歪であると言いました。
ただの夏バテから空転直下、これはただならぬ病気かもと血の気が引く気がしました。
おしっこをしないのは水を飲まないからだと思っていましたが、出せなかったのか。ももに辛い思いをさせながら放置していた自分を呪いました。
膀胱のおしっこは注射器を使って吸い出してくださいました。そしておしっこの色が薄いと言われました。腎臓が老廃物を濾過できていないという事のようです。
先生は尿管結石も疑いましたが、調べたところそれは無いとの事でした
(8月12日午後、血液検査)
血液検査の結果が出ました。腎臓の状態を示す数値が異常な高さだと言われました。
尿素窒素 180.4
クレアチニン 17.3
リン 19.5
完全な腎不全状態です。
先生からは今すぐに人工透析をしないと2、3日の命であると告げられます。もう完全にパニックです。1週間人工透析をやったとして費用は50万円ぐらいだと言われましたが、すぐにお願いしました。可愛いももの為ならそのぐらいのお金は惜しくないと思いました。
すぐに全身麻酔をして首にカテーテルをつける手術をすることになりました。
(8月12日午後、人工透析開始)
1回目の人工透析をした後の血液検査の結果です。
尿素窒素 175.2
クレアチニン 18.32
リン 19.6
人工透析前と比べて変わらないかさらに悪くなっています。
ここで先生からはもう止めますか?と言われてしまいます。ここで止めるってどういう事?もう助からないって事?頭の中が真っ白です。数日前まで元気に走り回っていたもも、これからもまだまだ一緒にいられると思っていたももと、こんな唐突にお別れするなんて想像もできませんでした。
でも諦め切れないので、当初の計画通り1週間は人工透析をして欲しいと先生にお願いしました。麻酔や鎮静剤で朦朧としているももを撫でてあげました。頑張るんだよ!もも
ちょっと注射でもして帰るつもりが、まさかの入院、人工透析。あまりのショックにその夜は家族で泣きました。まったく眠れませんでした。
(8月13日、人工透析2回目)
2回目の結果です。
尿素窒素 151.2
クレアチニン 15.18
リン 11.9
若干ですが、下がっています。まだまだ腎不全には変わりませんが、ほんの少しだけ希望が見えたような気がしました。
先生からは首に入れたカテーテルが詰まりがちなので、この後で全身麻酔をして再手術してカテーテルを付け直すと言われました。
(8月14日、人工透析3回目)
3回目の結果です。
尿素窒素 136.5
クレアチニン 10.66
リン 12.7
また少し下がりました。ただ階段を降りるように一段一段といった感じで、このままでは退院できても慢性腎臓病に移行するんだろうなと考えていました。
先生から午前中に尿毒症から痙攣を起こしたと告げられます。
まだまだ希望が持てるような状況では無いんだと思い知らされます。
(8月15日、人工透析4回目)
4回目の結果です。
尿素窒素 55.1
クレアチニン 2.8
リン 5.9
ここで思わぬ事が起こります。数値が大きく下がったのです。
階段で言うと3段ぐらい一気に飛び降りた感じでしょうか、嬉しくて飛び上がりそうになりました。
先生からはここまで下がれば大丈夫、もう人工透析はしないと言われました。
明日また血液検査をして良ければ退院だそうです。
(8月16日、退院)
もう人工透析はしていません。
尿素窒素 45.4
クレアチニン 1.74
リン 2.2
SAA 17.28
体重6.5kg(-0.4kg)
透析無しでもさらに下がっています。これは腎臓機能が壊れていなかったと言う事でしょうか。特にクレアチニンに関しては、基準値内に治まっています。嬉しくてたまりません。
急性腎臓病ですが、先生の診断ではその中でも糸球体腎炎ではないかと言われました。
腎臓の中でおしっこを濾すフィルターのような所が詰まって腫れているようなイメージでしょうか。
SAAと言う数値はこれまで出てませんでしたが、体内で炎症があると上がる数値だそうです。これが高いのは首にカテーテルを入れた傷があるのも影響すると事で、数種類のお薬を毎日飲ませるように言われました。
(8月20日、通院)
退院4日後の検査結果です。
尿素窒素 46.6
クレアチニン 2.35
リン 4.7
SAA 74.1
体重6.15kg(-0.35kg)
わずかですが、上昇しています。特にSAAの値が跳ね上がっています。
先生はやはり腎臓が炎症を起こしているかもと、ステロイド剤を倍に増やす事にしました。退院したもののまだまだ苦難が続きます。
(8月24日、通院)
退院8日後の検査結果です。
尿素窒素 41.9
クレアチニン 3.05
リン 4.5
SAA 44.44
体重6.0kg(-0.15kg)
やはりまだわずかに上がっています。特にクレアチニンは5以上だと腎不全ですので、心配です。
SAAは下がりましたが、まだまだ高いです。ここが下がらないと他の数値も下がらないと先生に言われました。
(8月28日、通院)
退院12日後の検査結果です。
尿素窒素 32.5
クレアチニン 2.25
リン 3.4
SAA 3.75
体重6.15kg(+0.15kg)
お薬が効いたのか、SAAの値がぐっと下がりました。クレアチニンがやや高いですが、SAAに遅れて下がってくると先生が言ってくれました。
ここまで来てようやく一山超えた気がしました。
食欲も出てきて入院して1kg近く減った体重も少し増えました。
次回は2週間後に血液検査です。
このままぶり返さずに元気になってくれる事を祈るばかりです。
今回お世話になった病院では、今年の3月に人工透析器が導入されたばかりで、そんな事もももにとってはとても幸運でした。
猫に人工透析ができる病院はかなり少ないと聞きますし、費用も高額なので、もっと多くの病院で安価にできるようになればいいと思います。
最後になりましたが、ももの命を救っていただいた、お医者様、看護師様、スタッフ様、Twitterやブログで応援して下さった皆様、大変ありがとうございました。この場をお借りして感謝を申し上げます。
大変長くなりましたが、何かの参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
ツイッターやってます
よろしくお願いします
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