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2022年8月

2022年8月29日 (月)

猫の急性腎不全 ももの奇跡的復活までの記録

血液検査のデータ


 


尿素窒素


クレアチニン


リン


SAA


 


基準値


32.8


1.80


6.0


5.5以下


 


812


180.4


17.30


19.5


11.05


初診時


812


175.2


18.32


19.6


 


透析1回目


813


151.2


15.18


11.9


 


透析2回目


814


136.5


10.66


12.7


 


透析3回目


815


55.1


2.80


5.9


 


透析4回目


816


45.4


1.74


2.2


17.28


退院


820


46.6


2.35


4.7


74.10


 


824


41.9


3.05


4.5


44.44


 


828


32.4


2.25


3.4


3.75


 

 

 2022年8月12日に急性腎不全と診断されて緊急入院した我が家の猫、ももの闘病記録です。

 一時はもうだめかと覚悟を決めるような日々もありましたが、他の方の闘病記ブログなどで情報をいただいたり励みになったりと助けていただいた経緯もあり、これまでの記録をご参考までに書く事にしました。

 急性腎不全で苦しんでいる猫ちゃんや飼い主さんに少しでも役に立てたら幸いです。

 

まずはもものプロフィールから

マンチカン

オス

11歳

体重6.9kg(入院前) 

Img_1475_2

 明るい性格で元気な子なのですが、7月に11歳の誕生日を迎えた辺りから寝ている事が多くなり、ちょっと元気が無いかなという感じでした(今にして思えばですが)

 1歳上のはなも似たような感じでしたので、まあもう高齢だししょうがないのかな、と思いながら日々を過ごしていました。

 

(8月9日夜)

 ももが嘔吐しました。猫が吐くのは日常茶飯事ですし、ももはよく毛玉を吐くので、この時はそれほど心配しませんでした。

 

(8月10日朝)

 ももがまた吐きました。ちょっと黄緑色の胃液っぽい液体でした。ちょっと大丈夫かな、と心配しましたがそれでもまだ深刻には考えませんでした。このタイミングで病院に行っていればもう少し軽く済んでいたと思うと、今ではとても後悔しています。

 

 ただ猫にとっては病院は大きなストレスがかかりますし、普段元気で持病も無い場合、ここで病院に行くという判断は正直難しかったです。

 

 この辺りから急速に食欲が無くなり、水もあまり飲まなくなりました。夜に大好きなチュールをあげると、それは喜んで食べていましたので、夏バテかなと安易に考えていました。

 

(8月11日夜)

 もうまったく水も飲まなくなりました。大好きなチュールにも反応しません。これはいよいよ病院かなと思いました。偶然なのかももがこうなる4日ぐらい前に、はなが同じように食欲不振になってその後、回復するという事があったばかりなので、判断を鈍らせました(言い訳になりますが)

 

(8月12日朝)

 丸一日以上も水を飲まないので、さすがに心配です。顔の前に水の器を差し出すと少し舐めました。しかしその少し後でとても苦しそうに嘔吐しました。でも吐くものが無いのかさっき舐めた水が泡のように少量出ただけです。

 

 さすがにこれは尋常では無い!となり、すぐに病院に連れて行きました。ただこの状況でもただの胃腸障害でビタミン剤でも注射して貰えば治ると安易に考えていました。

 

(8月12日午前、病院)

 近所の歩いて行ける距離にある病院に連れて行きました。1年前に血尿が出た時に診ていただいた病院です。

 早速診ていただくと、先生は下腹部を押すと痛がる事にすぐに気づいて、エコーで見てみましょうとおっしゃいました。見ると膀胱がパンパンだと、そして腎臓の形が歪であると言いました。

 ただの夏バテから空転直下、これはただならぬ病気かもと血の気が引く気がしました。

 おしっこをしないのは水を飲まないからだと思っていましたが、出せなかったのか。ももに辛い思いをさせながら放置していた自分を呪いました。

 膀胱のおしっこは注射器を使って吸い出してくださいました。そしておしっこの色が薄いと言われました。腎臓が老廃物を濾過できていないという事のようです。

 先生は尿管結石も疑いましたが、調べたところそれは無いとの事でした

 

(8月12日午後、血液検査)

 血液検査の結果が出ました。腎臓の状態を示す数値が異常な高さだと言われました。

尿素窒素 180.4

クレアチニン 17.3

リン 19.5

 完全な腎不全状態です。

 先生からは今すぐに人工透析をしないと2、3日の命であると告げられます。もう完全にパニックです。1週間人工透析をやったとして費用は50万円ぐらいだと言われましたが、すぐにお願いしました。可愛いももの為ならそのぐらいのお金は惜しくないと思いました。

 

 すぐに全身麻酔をして首にカテーテルをつける手術をすることになりました。

 

(8月12日午後、人工透析開始)

 1回目の人工透析をした後の血液検査の結果です。

尿素窒素 175.2

クレアチニン 18.32

リン 19.6

 人工透析前と比べて変わらないかさらに悪くなっています。

 ここで先生からはもう止めますか?と言われてしまいます。ここで止めるってどういう事?もう助からないって事?頭の中が真っ白です。数日前まで元気に走り回っていたもも、これからもまだまだ一緒にいられると思っていたももと、こんな唐突にお別れするなんて想像もできませんでした。

 

 でも諦め切れないので、当初の計画通り1週間は人工透析をして欲しいと先生にお願いしました。麻酔や鎮静剤で朦朧としているももを撫でてあげました。頑張るんだよ!もも

 

 ちょっと注射でもして帰るつもりが、まさかの入院、人工透析。あまりのショックにその夜は家族で泣きました。まったく眠れませんでした。

Img_1663

(8月13日、人工透析2回目)

 2回目の結果です。

尿素窒素 151.2

クレアチニン 15.18

リン 11.9

 若干ですが、下がっています。まだまだ腎不全には変わりませんが、ほんの少しだけ希望が見えたような気がしました。

 先生からは首に入れたカテーテルが詰まりがちなので、この後で全身麻酔をして再手術してカテーテルを付け直すと言われました。

 

(8月14日、人工透析3回目)

 3回目の結果です。

尿素窒素 136.5

クレアチニン 10.66

リン 12.7

 また少し下がりました。ただ階段を降りるように一段一段といった感じで、このままでは退院できても慢性腎臓病に移行するんだろうなと考えていました。

 先生から午前中に尿毒症から痙攣を起こしたと告げられます。

 まだまだ希望が持てるような状況では無いんだと思い知らされます。

 

(8月15日、人工透析4回目)

 4回目の結果です。

尿素窒素 55.1

クレアチニン 2.8

リン 5.9

 ここで思わぬ事が起こります。数値が大きく下がったのです。

 階段で言うと3段ぐらい一気に飛び降りた感じでしょうか、嬉しくて飛び上がりそうになりました。

 先生からはここまで下がれば大丈夫、もう人工透析はしないと言われました。

 明日また血液検査をして良ければ退院だそうです。

 

(8月16日、退院)

 もう人工透析はしていません。

尿素窒素 45.4

クレアチニン 1.74

リン 2.2

SAA 17.28

体重6.5kg(-0.4kg)

 透析無しでもさらに下がっています。これは腎臓機能が壊れていなかったと言う事でしょうか。特にクレアチニンに関しては、基準値内に治まっています。嬉しくてたまりません。

 急性腎臓病ですが、先生の診断ではその中でも糸球体腎炎ではないかと言われました。

 腎臓の中でおしっこを濾すフィルターのような所が詰まって腫れているようなイメージでしょうか。

 SAAと言う数値はこれまで出てませんでしたが、体内で炎症があると上がる数値だそうです。これが高いのは首にカテーテルを入れた傷があるのも影響すると事で、数種類のお薬を毎日飲ませるように言われました。

 

(8月20日、通院)

 退院4日後の検査結果です。

尿素窒素 46.6

クレアチニン 2.35

リン 4.7

SAA 74.1

体重6.15kg(-0.35kg)

 わずかですが、上昇しています。特にSAAの値が跳ね上がっています。

 先生はやはり腎臓が炎症を起こしているかもと、ステロイド剤を倍に増やす事にしました。退院したもののまだまだ苦難が続きます。

 

(8月24日、通院)

 退院8日後の検査結果です。

尿素窒素 41.9

クレアチニン 3.05

リン 4.5

SAA 44.44

体重6.0kg(-0.15kg)

 やはりまだわずかに上がっています。特にクレアチニンは5以上だと腎不全ですので、心配です。

 SAAは下がりましたが、まだまだ高いです。ここが下がらないと他の数値も下がらないと先生に言われました。

 

(8月28日、通院)

 退院12日後の検査結果です。

尿素窒素 32.5

クレアチニン 2.25

リン 3.4

SAA 3.75

体重6.15kg(+0.15kg)

 お薬が効いたのか、SAAの値がぐっと下がりました。クレアチニンがやや高いですが、SAAに遅れて下がってくると先生が言ってくれました。

 ここまで来てようやく一山超えた気がしました。

 食欲も出てきて入院して1kg近く減った体重も少し増えました。

 次回は2週間後に血液検査です。

 このままぶり返さずに元気になってくれる事を祈るばかりです。

Img_1855

 今回お世話になった病院では、今年の3月に人工透析器が導入されたばかりで、そんな事もももにとってはとても幸運でした。

 猫に人工透析ができる病院はかなり少ないと聞きますし、費用も高額なので、もっと多くの病院で安価にできるようになればいいと思います。

 最後になりましたが、ももの命を救っていただいた、お医者様、看護師様、スタッフ様、Twitterやブログで応援して下さった皆様、大変ありがとうございました。この場をお借りして感謝を申し上げます。

 

 大変長くなりましたが、何かの参考になれば幸いです。

 ありがとうございました。

 

 

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よろしくお願いします

 




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2022年8月13日 (土)

ももが入院しました

2022年8月12日

ももが緊急入院しました。

病名は急性腎不全です。

ただの夏バテかと思っていたので、まさに晴天の霹靂でした。目の前が真っ暗になりました。

異変があったのは2日前の8月10日の事で、午前9時ごろに嘔吐をして、そこから急速に元気が無くなっていきました。

嘔吐だけならよくあるし、その後は続けて吐くこともないし、と様子を見ていました。

これまでにも下痢や血尿など、心配な症状が何度もありましたし、その度に回復していましたので、この時点ではそれほど心配していませんでした。

 

しかしこれまでとはちょっと違うなという点もありました。

ゴハンを食べないのはともかく水も飲まない、オシッコもウンチもしない。

ただオシッコとウンチについては飲み食べしてないからだと思いましたし、偶然ですが、この直前の8月5日にはなが消化不良を起こして食べられなくなり、4日後の9日に回復するという出来事がありまして、その翌日だった事から、はなに続いて今度はももか~といった感じでした。

 

おかしいなと思い始めたのが2日後の12日です。

丸2日も水を飲まない、オシッコもしない、さすがにこれは病院に行った方がいいのでは、と考え始めた矢先にももが苦しそうに嘔吐したのです。吐くものが無いので唾液のような泡しか出ませんでした。

 

朝の10時ごろの出来事でした。

もはや考えてる場合ではありません、すぐに近所の病院に連れて行きました。

 

この時点でもまだ夏バテか何かだと思っていました。

栄養剤でも注射してもらえば治るぐらいの気持ちでした。

しかしお医者様の様子がかなり真剣で、エコー検査で腎臓が歪になっていると言われたあたりから不安が高まって来ました。膀胱にオシッコが溜まってパンパンだと言われました。

オシッコをしないのは水を飲まないからでは無くて、出せなかったのか、出さなかったのか。

尿道が詰まってるのか調べてくださいましたが、それは無いようでした。とりあえず尿道に管を入れて尿を排出していただきました。

この時点で先生は尿の色が薄い、とおっしゃいました。それって悪い事なの?不安が高まります。

 

その後、血液検査の結果が出たのですが、その数値がかなり深刻なものでした。

同様の病気で情報を探している方の為に数値の一部や治療に関する事も書こうと思います。

尿素窒素:175

クレアチニン:18.3

どちらも腎臓の状態を見るのに重要な数値で、どちらも非常に高いそうです。

例えば、クレアチニンは5以上で腎不全と言われているのに、すでに18以上あります。

先生からは何もしないとあと2、3日の命だとはっきり言われました。

 

何か重い物で頭を殴られたような気持ちでした。

11歳とは言え、まだまだ元気なももだと思っていましたし、20歳は無理だとしてもまだ数年は一緒にいられると思っていました。それにだんだんと衰えていって別れる時は前もって分かるのだとぼんやりと考えていました。

 

それがあと数日の命?何かの間違いじゃないかと思いました。

 

先生からは今すぐに人工透析をするように勧められました。

幸いな事にこの病院は今年になって人工透析機を導入していました。人口透析ができる動物病院は少ないですし、無い場合は遠くの病院に転院する事になったと思います。

 

ただ問題なのがその費用ですと先生に言われました。

1週間から10日ほど入院したとして、50万円ぐらいかかるとの事です。

高額な理由は透析が1回5万円ほどかかるからです。

相当な金額ですが、迷いはありませんでした。

透析をするには首の血管に管を入れる手術が必要だそうで、すぐに全身麻酔をして手術になりました。

全身麻酔で亡くなる猫もいると確認されました。

 

この時点では先生も11歳でもまだ若いし、回復する可能性はあるとおっしゃってくれて、ちょっと気持ちが落ち着いてきます。近所に透析ができる病院があって、ももはラッキーだと夫婦で喜んだりもしました。

 

でも喜びも束の間、透析後の血液検査の結果が思わしくないようです。

先生からは透析しても数値が全く改善しない、明日もう一度透析をしてみますが、それでだめなら覚悟して下さい。とはっきり言われました。

 

再び奈落の底に落とされました。

ここまでがこのブログを書いている時点までの出来事です。

今2回目の透析をしているところです。

良い結果が出るのを祈りながら待っています。

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